【7月11日 東方新報】1日に、中国共産党が結党100周年を迎えたことを記念するため、中国では一連の祝賀行事が行われた。しかし、国際環境では、大国間の実力比較の変化と米中関係の悪化によって、中国共産党と中国共産党が指導する中国は、米国を中心とする西側の強力な抑止に苦しめられている。

 西側は中国共産党と一般の中国民衆を区別しようとしており、中国民衆の支持を獲得し、中国共産党が中国内部から受ける圧力を強化しようとしている。当然、中国共産党はこの点を見抜いた。習近平(Xi Jinping)中国共産党中央委員会総書記は、中国共産党創立100周年記念大会で、「中国共産党を中国人民と分離し、対立させようとするいかなる試みも、決して成功できない」と述べた。

 西側の世論環境では、中国共産党は一党独裁で人権を無視した政党として描かれており、西側は中国でも「カラー革命」が起こることを期待しているが、実は一般の中国民衆の現状への受け入れは西側を失望させるかもしれない。中国の情報が閉塞(へいそく)し、民衆が西洋政治体制の優位性を知らないからだろうか?明らかにそうではない。貿易大国である中国はますます開放され、毎年大勢の留学生、ビジネスマン、観光客が世界各地を訪れる。中国民衆の世界に対する認識は西側が想像するほど限定的ではない。

 では、中国共産党が中国民衆の信頼を得た理由は何だろうか。

 同じく中国共産党創立100周年を祝う大会で、習主席は「中国共産党は第1の百年奮闘目標を実現し、中国の大地に小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的に建設し、絶対的貧困の問題を歴史的に解決した」と宣言した。2020年の中国の国内総生産(GDP)は100兆元(約1700兆円)を超え、1人当たりの可処分所得は3万2189元(約55万円)に達し、2010年より倍増する目標を予定通りに達成し、中国は絶対的貧困を完全に解消した。

 民衆は苦しみ、国家は貧しい。これは近代100年余りの中国民衆の最大の心の痛みだった。西洋の政治制度よりも、中国の民衆がまず注目しているのは、満腹になれるかどうか、着るものが買えるかどうか、子供が学校に行けるかどうか、病気になると病院に通えるかどうかだった。中国共産党の社会経済発展における得た成果は、たとえ西側世界であっても見過ごすことはできない。

 中国共産党は第1の「百年目標」の約束を果たし、次なる第2の「百年目標」を目指している。2020年から2035年まで、中国は社会主義近代化を基本的に実現し、2035年から今世紀半ばまでに、中国を富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国にすることだ。これは中国共産党が民衆に描いた青図だ。

 経済面だけでなく政治面でも、中国共産党は長期的な政治的安定を実現した。中国政府は6月25日、「中国新型政党制度」白書を発表した。白書は、中国の政党制度が西側諸国で一般的に行われている多党制とは異なり、中国共産党が指導する多党協力と政治協商制度を実施していることを世界に説明しようとしている。この新型政党制度は中国の伝統文化に根ざし、中国の歴史伝承、文化伝統、経済社会発展の産物だ。

 中国共産党は、世界には各国に普遍的に適用される政党制度はなく、自国の国情に合ったガバナンスの有効性を示す政党制度が良いものだと主張している。

 中国と西洋がそれぞれの価値観を表現する一方で、中国は、自分たちの考えと一致しない強大な中国に対する西側の懸念を認識している。そこで「中国人民はこれまで他国の人民をいじめたり、抑圧したり、奴隷にしたことはなく、過去にも、現在にも、将来にもない」と繰り返し世界に強調している。

 いずれにしても、中国は無視できない大国になってしまった。先入観を捨てて中国共産党を知ることは、中国がどうして今日の中国になったのか、そしてこれからの中国がどこに向かうのかを世界が知る上で役立つかもしれない。(c)東方新報/AFPBB News