【7月8日 AFP】英下院外交委員会は8日、中国が新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で行っている人権侵害に対して英政府により強い対応を取るよう求め、2022年北京冬季五輪の一部ボイコットや「新疆綿」の取引禁止を提言した。

 超党派の外交委員会は、数か月に及ぶ調査結果をまとめた37ページの報告書を公表。ウイグル自治区でイスラム系のウイグル人ら少数民族に対して行われているとみられる犯罪行為について、国際刑事裁判所(ICC)で捜査する可能性を具体的に検討するようボリス・ジョンソン(Boris Johnson)政権に要請した。

 また、英政府に対し、今年4月に英議会が採択した動議を受け入れ、ウイグル自治区の少数民族が「人道に対する罪とジェノサイド(集団虐殺)に苦しんでいる」と認めた上で、「こうした犯罪を終わらせるために」より強い対応を取るよう求めた。

 方法としては、あらゆる外交手段を用いて中国政府に圧力をかけ、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)など国際監視団体によるウイグル自治区の実態調査を認めさせることや、迫害を逃れてきたウイグル人らの迅速な難民認定を支持し、ウイグル人難民を保護する「聖域国家」連合を欧米諸国と結成することなどを提言している。

 さらに、北京冬季五輪の場で中国政府に確実に「報いを受けさせる」ため、英政府関係者や英国の要人が開会式と閉会式をボイコットすること、英企業に大会スポンサーや広告の契約を控えるよう働き掛けること、英国民に観戦や旅行などで中国を訪れないよう呼び掛けることも提言に盛り込まれている。(c)AFP/Joe JACKSON