【7月8日 AFP】(更新)カリブ海(Caribbean Sea)の国、ハイチのジョブネル・モイーズ(Jovenel Moise)大統領が7日未明、自宅で襲撃を受け暗殺された。警察は同日、首都ポルトープランスで行った作戦で「傭兵(ようへい)」4人を殺害し、2人を拘束したと発表した。

 ハイチ国家警察のレオン・シャルル(Leon Charles)長官は、テレビで「傭兵4人を殺害し、2人の身柄を確保した。人質となっていた警官3人は救出された」と述べた。

 シャルル氏によると警察は、モイーズ大統領夫妻がポルトープランスの私邸で襲撃された直後から襲撃犯を追跡していた。夫人は負傷し、現在入院している。

 モイーズ氏は、2018年に予定されていた議会選挙が政治的混乱により延期された後も、大統領令で政策を実施し、中南米で最貧国であるハイチを統治してきた。

 米ホワイトハウス(White House)は7日、暗殺について「恐ろしい攻撃」と非難し、捜査を支援する用意があると表明した。

 ジェン・サキ(Jen Psaki)大統領報道官は、「捜査を行う際には、米国はハイチ国民と政府に、どのような形であれ支援する」とし、現在情報を収集中だと説明。ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は声明で、「この凶悪な行為を非難する」と述べた。

 一方、英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は同日、ツイッター(Twitter)に、「モイーズ大統領の死に衝撃を受け、悲しんでいる」と投稿し、哀悼の意を表した。さらに、暗殺は「許し難い行為だ」と非難するとともに、冷静でいるよう呼び掛けた。

 ハイチでは政治危機に加え、ここ数か月は身代金目的の拉致事件が多発するなど、国内の武装集団の影響力が強まっていた。また、慢性的な貧困と頻発する自然災害に直面している。

 映像前半は2017年に撮影されたモイーズ大統領の資料映像。後半はモイーズ大統領の私邸周辺で暗殺事件の証拠を調べる警察官ら。7日撮影。(c)AFP