【7月8日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するウスマン・デンベレ(Ousmane Dembele)が、日本人に対して差別的な発言をした映像がSNSに流出した問題で、コナミデジタルエンタテインメント(Konami Digital Entertainment)は7日、この件に関与したとして、カードゲーム「遊戯王(Yu-Gi-Oh!)」のアンバサダーを務めていたアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)との契約を解除したと発表した。

 問題の動画は2019年に日本で行われたバルセロナのプレシーズンツアー中に撮影されたもので、現地スタッフにゲーム機をホテルのテレビに接続してもらうのを待っている間、チームメートのグリーズマンに話しかけるデンベレが侮辱的な発言をした様子が収められていた。

 今回の件を受け、コナミは「スポーツの理念がそうであるように、いかなる差別も許されるものではないと考えています」とした上で、「遊戯王コンテンツでは、グリーズマン選手とのアンバサダー契約は解除することとしました」と発表。「FCバルセロナに対してクラブパートナーの立場として本件の詳細な経緯と今後の対応の説明を求めていきます」と続けた。

 同日にはバルセロナも発表文を出し、2選手が「滞在したホテルの従業員に対して侮辱的な態度を示した」ことを「非常に遺憾に思う」と表明。「公式に謝罪」するとし、適切な内部措置を講じていく意向を示した。また、今回の言動はバルセロナが示し、守っていくべき価値観と一致するものではなく、クラブに「人種差別が入り込む余地はない」とした。

 今回の問題をめぐっては、クラブのメインスポンサーを務める楽天(Rakuten)グループの三木谷浩史(Hiroshi Mikitani)会長兼社長も前日、チームに対して説明を求めると述べていた。

 デンベレは5日、今回の件を後悔しているとして、「心からの謝罪」を表明。グリーズマンも「いかなる種類の差別」にも常に反対の立場を取ってきたと主張した上で、「日本の友人を傷つけたなら申し訳ない」と謝罪した。(c)AFP