【7月8日 Xinhua News】中国教育部は2016年9月、大学の体育学部に「eスポーツ競技・管理」専攻を新設するよう求める通達を出した。これまでにeスポーツ専攻を開設した大学は中国伝媒大学のような名門校をはじめ、20~30校に上り、今年はeスポーツ専攻の卒業生が初めて誕生した。

 企業情報サイト「企査査」によると、中国のeスポーツ関連企業は1万8千社を超えている。企業登録数はここ4年で急増しており、20年は4378社で過去最多となった。今年1~6月の登録数は前年同期比10%増の2066社で、過去最多を記録した昨年と比べても、今年はeスポーツ業界が一段と活気があることが分かる。eスポーツ関連企業の地域別では、広東省(Guangdong)が2017社でトップ、湖南省(Hunan)が1941社で2位、河南省(Henan)が930社で3位となっている。国内収入トップ10のモバイル競技ゲームのうち、9タイトルは広東省のゲーム企業が開発または運営している。

 企業登録数の状況から、eスポーツ業界の就業状況の良さもうかがえる。南京伝媒学院は17年、eスポーツゲーム企画・デザインとeスポーツ分析の二つの専攻を設け、計140人が入学した。だが、今ではeスポーツに関する専攻も当時と比べものにならないほど増えている。

 eスポーツ業界には少なくとも9分野があり、職種は36種に上る。なじみのある解説者やキャスター、生中継の仕事だけでなく、eスポーツクラブのコーチ、運営、監督などの職種もeスポーツに関する職業選択の幅を広げ、就業者に十分な成長の余地を提供している。

 中国では現在、eスポーツは正式なスポーツ競技と見なされており、既存のスポーツ競技と同様、競技から組織まで、選手から裏方まで、プランニングから中継までを網羅する巨大な産業チェーンが形成されている。eスポーツに対する理解が深まるにつれ、産業チェーンはさらに勢力の拡大を加速していくとみられる。(c)Xinhua News/AFPBB News