【7月11日 CNS】中国の大学統一入学試験(通称「高考」)が6月上旬に行われてから約1か月が過ぎ、受験勉強から解放された高校生らの消費を見込んだ「入試後エコノミー」が花盛りになっている。試験を終えた1078万人の高校生が卒業旅行やデジタル製品購入、運転免許取得、さらにプチ整形など自分に「ごほうび」を与え、商戦が過熱している。

 中国では大学ごとの2次試験がなく、高考が「人生を決める一発勝負」。入試を終えた高校生たちのリラックス法として多いのが卒業旅行だ。旅行会社の統計によると、6月10日から7月30日までの受験生世代の旅行予約は、コロナ禍の影響が残った前年同期と比べて78%増。ホテル予約は30%以上増加した。

 馬蜂窩(Mafengwo)旅行研究センター責任者の馮饒(Feng Rao)氏は「人気旅行先の上位10都市は主に北西部の都市であり、最も人気なのは内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)フルンボイル市(Hulunbuir)です」と話す。大草原で有名なフルンボイルは避暑地として最適な場所の1つ。雄大な草原でストレスを発散する学生が多いようだ。こうした各地の観光名所は無料クーポンや割引制度を取り入れ、受験を終えた高校生を引きつけようと躍起になっている。

 ECプラットフォームの拼多多(Pinduoduo)によると、入試終了後は携帯電話やパソコンなどのデジタル製品の売れ行きが急増し、入試終了翌日の販売量は前日比で210%以上も増加した。

 EC大手の京東(JD.com)が主導している6月18日前後のネットセール「618」では、高品質ノートパソコンの売り上げが前年比145%増となり、ゲーミングスマホの累計売上高は、前年同期比で5倍に達した。

 河南省(Henan)の女子高校生、黄鋭一(Huang Ruiyi)さんは受験後すぐに美容院へ向かい、髪を染めることにした。「やっと受験から解放された。どんな髪の色にしようかな」とSNSに投稿すると、「私はピンクに染めたよ」「入試が終わったら、深夜まで友達同士で髪を染めたな~」と「先輩」たちから多くの書き込みがあったという。

 最近は髪を染めるだけでなく、「プチ整形」の波が押し寄せている。一部の学生は、美容施術や視力回復手術を受け、外見やイメージを変えようとしている。

 運転免許を取得する高校生も多い。6月1日から制度の改正で運転免許試験の内容が減り、予約期間も短縮され、夏休み中に免許を手に入れようとする学生が増えている。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News