【7月10日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)長治市(Changzhi)平順県(Pingshun)にある大雲院は、五代十国時代の後晋の天福3(938)年に創建された寺院で、1988年に第3次全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財に相当)に指定された。大仏殿の東壁と扇面壁(殿内の金柱間の壁)には、五代十国時代の壁画が21平方メートル現存する。

 壁画は晩唐期に流行した濃い墨色と淡い色彩が特徴の「焦墨薄彩(しょうぼくはくさい)」様式を受け継いでおり、線は濃淡が際立ち、色彩も豊か。細部には「瀝粉貼金(れきふんちょうきん)」と呼ばれる糊(のり)と金箔(きんぱく)で立体感を出す技法が施されている。唐代の画風を今に伝える貴重な寺院壁画であり、中国の寺院に唯一現存する五代十国時代の壁画でもある。(c)Xinhua News/AFPBB News