【7月6日 AFP】(更新)ドイツ連邦検察は6日、中国のためにスパイ行為をしていた自国の政治学者を訴追したと発表した。シンクタンクの代表として、政府高官らと面識があったという。

 名前がクラウス・L(Klaus L.)とのみ公表されている学者の男は、2010~19年に「要人の公式訪問や国際会議の前後に、中国の情報機関に定期的に情報を渡していた」疑いが持たれている。

 検察によると、男は2001年から政治シンクタンクを主宰。研究内容と長年培われたネットワークが認められ、国際的名声を得ていた。2010年6月に講演ツアーで中国・上海を訪れた際に、中国情報機関からの接触を受けたという。

 公共放送ARDは、男は同時にドイツの情報機関のスパイとしても活動していたと報じている。

 ARDはこのシンクタンクについて、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相のキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党であるキリスト教社会同盟(CSU)に近い「ハンス・ザイデル財団(Hanns Seidel Foundation)」だとしている。(c)AFP