【7月8日 CNS】中国で近年、人気メニューとしてすっかり定着したザリガニ。数年前にブームが始まり市場も拡大しているが、今年は価格が急落している。

 北京市の簋街里(Guijieli)にあるザリガニレストランでは、この1か月で客が大幅に増加した。ザリガニが大量に市場に出回り、仕入れ値が大幅に下がった効果という。

 北京最大の魚介類を扱う市場「京深(Jingshen)海鮮市場」には、主に江蘇省(Jiangsu)、湖北省(Hubei)、そして河北省(Hebei)の沼沢・白洋淀(Baiyangdian)でとれたザリガニが入荷している。白洋淀のザリガニは大きくて値段も高く、江蘇省と湖北省のザリガニは比較的安い。1匹の重さ5〜7グラムのザリガニは計500グラムで約25元(約428円)、7~9グラムのザリガニは計500グラムで28~30元(約480~514円)程度。ある業者は「この数年間、最も安い時期でも30元はくだらなかったのに」と打ち明ける。

 スーパーマーケットのザリガニも安い。北京西駅近くの生鮮スーパー・盒馬鮮生(Hema Xiansheng)では、調理済みザリガニが1.5キロで100元(約1715円)、生ザリガニは1.5キロで79元(約1354円)と、前年のほぼ半値となっている。

 この5年間でザリガニはキワモノ的な位置づけから人気メニューに様変わりし、ザリガニ専門のレストランチェーンやテークアウト企業が次々と誕生した。ただ、中国水産流通加工協会によると、2020年のザリガニ産業の総生産額は約3490億7000万元(約6兆円)で、前年比15ポイント減少した。

 中国食品業界アナリストの朱丹蓬(Zhu Danpeng)氏は「ザリガニ業界はこの5年間で急速な発展を遂げ、現在は安定期に入ったと言える。今後は、新しい需要を探って業界全体がアップグレードを図る必要がある」と指摘している。(c)CNS-北京日報/JCM/AFPBB News