【7月6日 People’s Daily】5月下旬に中国で新型コロナウイルスがまた拡大すると、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)ではあっという間に「戦闘」状態に入った。6月4~6日の3日間、広州市では1869万6700人分のPCR検査を行い、世界の都市で最大規模の検査を実現した。広州市科学技術局の孫翔(Sun Xiang)副局長は6月9日の記者会見で、「広州の研究機関や企業の先端技術が投入され、新型コロナの予防と制御を科学的にサポートした」と称賛した。

 広州市には医薬企業が5500社あり、中国で3番目に多い。バイオ医薬分野のハイテク企業は1000社を超え、細分化された各分野でトップを誇る企業も多い。このうち、医学検査を専門とする金域医学は広州市で1日に35万件の検査を実施。検査数の累計は8000万件を超え、1組織による1日の検査数、累計検査数ともに世界一となっている。

 広州市では、潜伏期間が長い上に感染速度が速いインド株が確認されたが、広州市の企業が開発した優れた検査製品で対応した。医薬品メーカーの達安基因が開発した蛍光PCR法検査キットは遺伝子配列の変異を正確に特定。万孚生物はさまざまな種類のキットを使い、デルタ株、アルファ株、ベータ株などの変異型の検査を可能にした。検査態勢をさらに効率化するため、6月1日には広東省で初めてとなるエアドーム型検査施設「猟鷹号」が広州体育館に設置された。その検査能力は1日35万件に達した。

 コロナ禍に見舞われ、広州市内のいくつかのエリアは封鎖措置が取られた。生活物資を送り届けるため手腕を発揮したのが、スマート企業。自動運転のスタートアップ文遠知行や小馬智行、インターネット大手の百度(Baidu)や京東(JD.com)が無人の自動運転車両を使い、閉鎖地区に物資をくまなく届けた。エレベーターに乗り込めるロボットも使って各フロアに物資を運び、1階から各フロアまでの「最後の100メートル」を結んだ。

 広州市工業情報化局の陳鍵華(Chen Jianhua)総経済師は「自動運転技術を防疫・救急活動に取り入れたのは世界でも初めてのことだ」と強調。6月8日までに、23台の自動運転車と13台の小型配送車が封鎖地区に計64.2トンの物資を届けた。(c)People’s Daily/AFPBB News