【7月6日 AFP】フランスのシャンパン生産者らは5日、ロシアで国産スパークリングワインのみが「シャンパン」を名乗ることができるとする法律が成立したことを受け、同法の変更を求める外交的な働きかけを要請する嘆願書を政府に提出した。仏高級ワイン大手モエ・ヘネシー(Moet Hennessy)は、ロシア市場への出荷を停止している。

 フランスは、原産地名称の保護に関するリスボン協定(Lisbon Agreement)に加盟しており、「シャンパン」という名称は原産地名称として保護されている。

 しかし、ロシアはリスボン協定に加盟しておらず、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は2日、シャンパンを意味するロシア語「シャンパンスコエ」の名称を、輸入ワインに使用することを禁じる法案に署名した。

 同法では、仏産のボトルにフランス語で「シャンパン」と表記することは引き続き可能だが、ボトルの後ろにキリル文字で「スパークリングワイン」と明記することが求められる。

 シャンパーニュ(Champagne)地方のブドウ・ワイン生産者の団体は、「フランスと欧州の外交官にこの受け入れ難い法律を変えるよう求める」としている。

 生産者らは、同法の成立は「恥ずべき」動きで、「欧州連合(EU)とロシアが20年以上続けてきた、原産地名称の保護をめぐる2者協議に疑問を投げ掛ける」ものだと非難している。

 仏高級ブランドグループLVMH傘下のモエ・ヘネシーは4日、新法に従うとし、ドンペリニヨン(Dom Perignon)やモエ・エ・シャンドン(Moet & Chandon)、ヴーヴ・クリコ(Veuve Clicquot)などの輸出を「一刻も早く」再開すると発表した。(c)AFP