【7月6日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2021)は6日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による物流的な問題で、2年連続の中止が決定した。しかしF1の責任者は、今季計23レースを開催する計画に変わりはないとしている。

 今季第21戦のオーストラリアGPは11月21日に決勝が予定されていたが、同国では海外からの入国者に対して14日間の自主隔離を義務付けていることが障害となっていた。同国でのロードレース世界選手権(WGP 2021)MotoGPクラスなども、同じく中止が決定している。

 F1第20戦のサンパウロGP(Sao Paulo Grand Prix 2021)の決勝は同7日となっており、ドライバーとチームは必要な隔離措置を完了できないことから、衛生的に安全なバブル環境に関して規制の緩和が提案されていたが、これは却下されたと報じられた。

 オーストラリア・グランプリ・コーポレーション(Australian Grand Prix CorporationAGPC)のアンドリュー・ウェスタコット(Andrew Westacott)最高経営責任者(CEO)は、「深く失望している」とコメントしながらも、「オーストラリアが直面している状況を踏まえれば、現在の海外からの渡航制限やワクチンの重要性に関しては理解できる」と述べた。

 今回の中止決定にもかかわらず、F1最高経営責任者(CEO)を務めるステファノ・ドメニカーリ(Stefano Domenicali)氏は、2021年シーズンの計23レース開催は可能であると確信しており、「今季はオーストラリアでレースできないのは残念である一方で、2021年は23レースを実施できる自信がある。計画を前に進める選択肢はたくさんある」と語った。

「今後数週間で、これらのオプションについて詳細を詰めていく。そして、協議が結論に至ったら、さらなるアップデートをお知らせする」

 例年3月に開催されているオーストラリアGPは、サンパウロGPと初開催の第22戦サウジアラビアGP(Saudi Arabian Grand Prix 2021)の間に挟まれる形ですでに延期されていた。

 しかし、豪メルボルン・アルバートパーク(Albert Park)でのレースは、1回目のフリー走行直前にまさかの中止が決定した2020年シーズンに続き、2年連続で中止が決定。今季のF1は、10月3日に決勝レースが予定されていたシンガポールGP(Singapore Grand Prix 2021)も先日開催を断念していた。

 MotoGPのオーストラリアGPも昨季はウイルスの大流行で中止となったが、今季のカレンダーに復帰して10月24日にフィリップ・アイランド・サーキット(Phillip Island Circuit)でレースが行われる予定となっていた。(c)AFP