【7月10日 AFP】新型コロナウイルスの世界的大流行で1年延期された32回目の夏季五輪、東京五輪が23日に開幕する。

 AFPスポーツが選んだ「五輪のレジェンド」を、4回にわたって5人ずつ紹介する。

■空飛ぶフィンランド人、パーヴォ・ヌルミ:陸上(フィンランド)

 近代五輪草創期のスーパースター、パーヴォ・ヌルミ(Paavo Nurmi)は、1920年代の五輪で金メダル9個と銀メダル3個を獲得している。

 1920年アントワープ大会で、1万メートルとクロスカントリーの個人・団体で金メダル計3個をわずか3日で取った。

 1924年パリ大会でも無敵ぶりを示し、1500メートルで優勝し、その後1時間ほどして酷暑の中、5000メートルでも優勝。その2日後、気温40度の中でクロスカントリーの個人・団体を制すと、翌日には3000メートル団体でも勝利し、五輪の1大会で5個の金メダルを獲得する初の選手となった。

 6個目のメダルも期待されていたが、健康状態を懸念した代表チーム関係者から1万メートル出場にストップをかけられた。憤慨したヌルミは、帰国後すぐに1万メートルの世界記録を樹立した。

 1928年アムステルダム大会では、1万メートルの王者に返り咲き、5000メートルと3000メートル障害で銀メダルを獲得した。

 1932年ロサンゼルス大会でも1万メートルに出場する予定だったが、競技が行われる3日前、以前にレースで賞金を受け取ったことがあるという理由で資格停止となり、論争を呼んだ。

■銀幕スター、ジョニー・ワイズミュラー:水泳(米国)

 ハリウッド(Hollywood)映画の古典、「ターザン(Tarzan)」シリーズの主役として銀幕のスターになるはるか前、ジョニー・ワイズミュラー(Johnny Weissmuller)は1924年と1928年の五輪に出場し、水泳種目で計5個の金メダルに輝いている。

 1924年パリ大会では3種目、100メートルと400メートルの自由形、800メートルリレーで金メダル、水球では銅メダルを獲得。4年後のアムステルダム大会では100メートル自由形とリレーで連覇した。

 男子競泳が6種目しかなかった時代のワイズミュラーは、現代の金メダルコレクター、マーク・スピッツ(Mark Spitz)やマイケル・フェルプス(Michael Phelps)に匹敵する。

 映画界に進出してからはさらに注目を集め、12本のターザン映画で上げた「雄たけび」はターザンのトレードマークとなった。