【7月10日 AFP】ボスニア・ヘルツェゴビナ南西部のクープレス(Kupres)高原でこのほど、草刈り競争が行われ、多くの男性が参加した。250年以上続く伝統行事は2020年、国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表(Representative List of the Intangible Cultural Heritage of Humanity)」に登録された。

 競争は例年、7月の第1日曜日に開催される。地元の工房で作った大きな鎌を使い、手作業で刈る。参加者はそれぞれの地域の伝統衣装を身に着け、面積350平方メートル分の草を刈らねばならない。審判は、草刈りに要した時間や刈り取りの幅、手際の良さ、それに仕上がりの美しさを審査する。刈り取りには体力と特別な技術が必要だ。

 上位3人が表彰され、優勝者には特別な称号が授与される。草刈り競争には18歳以上の男性が出場し、その伝統は父から子へと受け継がれている。農業や牧畜は、標高1200メートルに位置するこの地域の経済で欠かせないものとなっている。

 映像は4日撮影。(c)AFP