【7月5日 CGTN Japanese】中国の有人宇宙船「神舟12号(Shenzhou-12)」の宇宙飛行士3人が4日午前、協力して中国の宇宙ステーションでの初めての船外活動を行いました。「神舟7号(Shenzhou-7)」の宇宙飛行士が船外活動を行ったのに続いて、13年ぶりに再び行われた船外活動となります。

 今回の船外活動では3人の宇宙飛行士はそれぞれどのような任務を持ち、どのように分担したのでしょうか。中国宇宙飛行士科学研究訓練センター宇宙飛行士選抜訓練室の王焔磊(Wang Yanlei)主任によりますと、今回の船外活動では、2人の宇宙飛行士が船外へ出て、1人はロボットアームに上腕の支えと工具台を取り付けた後、ロボットアームの助けを借りて移動作業をしました。もう1人は船体に取り付けられた手すりに頼って作業場所へ移動し、補助作業を行いました。その間に緊急時の宇宙ステーションへの引き返しの検証を1回行いました。

 宇宙飛行士が船外作業を行う際に緊急事態が発生した場合、生命の安全を確保するため、速やかにエアロックキャビンに戻り、搭載された緊急用酸素供給装置を作動させなければなりません。そのため、船外活動を行う際、緊急時の引き返しの検証を行うことは非常に重要だということです。

 また、今回の船外活動のもう一つの重要な任務は、船外パノラマカメラにブラケットを取り付けることです。打ち上げ時の制約のため、カメラは前もって割合低い位置に据え付けられており、視野に限りがあるため、軌道に乗せた後、宇宙飛行士は船外状況の全体を監視するために、任務の必要に応じてその視野を拡張しなければなりません。そのために、船外へ出てブラケットを取り付け、カメラの取り付け位置をさらに高く調整する必要があるということです。

 それと同時に、2人の宇宙飛行士が船外活動を実施する際、船内にいる1人の宇宙飛行士はロボットアームを操作しなければなりません。ロボットアームは地上のスタッフでも操作できますが、宇宙飛行士がロボットアームに近い場所で船外活動を行う場合、船内の宇宙飛行士はより直観的にロボットアームの位置を観察でき、船外の宇宙飛行士と直接意思疎通が図れるため、宇宙飛行士が自らロボットアームを操作する方がいっそう安全だそうです。

 今回の宇宙ステーションでの船外活動で、宇宙飛行士の船外作業の能力や緊急対応能力のいずれもが効果的に検証されました。特に船外で人と機械を組み合わせて7時間余りの作業を行ったことは、今後の宇宙飛行士が宇宙ステーションを利用する上で貴重な経験を提供しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News