【7月5日 People’s Daily】ビッグデータ、人工知能、クラウドコンピューティングなどの最先端技術の急速な発展に伴い、中国の小売業は製造、調達、販売からサービスのプロセスに至るまでデジタル化、スマート化の特徴を示している。スマートリテールの変革は、サプライチェーン上、倉庫、店頭、ミニアプリにおいて進行中だ。

 スマートリテールとは、インターネットやモノのインターネット(IoT)技術を駆使して消費習慣を察知し、消費トレンドを予測し、生産・製造をリードし、消費者に多様でパーソナライズされた製品やサービスを提供することを指す。無人スーパー、ミニアプリからの発注、バーチャル・リアリティー(VR)試着、スマート納品などのシーンは、スマートリテールの応用分野に属し、小売りのフロントエンド、ミドルエンド、バックエンドをカバーしており、生産者、バイヤー、デパートのマネジャー、チェーン店の店長、そして、すべての消費者はスマートリテールに携わっている。

 スマートリテールが目指す究極の目標は、オンラインとオフラインの一体化だと一般的に考えられている。愛筆智能(Aibee)の創業者である林元慶(lin Yuanqing)さんは、スマートリテールの発展はオフラインのデジタル化とオンライン化の実現をサポートし、オフライン小売業を検索可能で推薦可能な形態に変えられると考えている。消費者がお店を探したり、クーポンを集めたりするのが、オンラインのように便利になる。いつの日か、オンラインでもオフラインでも、消費者一人ひとりがさまざまなシーンで便利で快適に買い物できるようになる。

 専門家によると、スマートリテール分野では、一方でビッグデータを発掘・分析することにより、消費者の行動への正確な分析を行い、消費者に「十人十色」のマーケティングとサービスを提供する。そのほか、データの仕入れや配送のプロセスへのフィードバックにより、より低コストかつ効率的で、柔軟な生産・供給が可能になるという。

 成都市(Chengdu)の王さんはデパートの地下駐車場に車を乗り入れる際、デパートのクライアント端末のパーキングプログラムを開き、実景の3次元ナビゲーションによって、すぐに駐車スペースを見つけた。彼がデパートの一階に入り、エレベーターの横のインタラクティブスクリーンをスマートフォンで軽くスキャンし、行きたいブランドの店を選ぶと、すぐにスマートフォンでバーチャルリアリティーの案内が表示され、目的の店まで一歩一歩案内された。これで、デパートの中をぐるぐる回る手間がなくなった。

「従来の倉庫作業では、一つの注文にそって倉庫の商品をそろえる所要時間は3時間程度だったが、現在は、平均でわずか3〜5分に短縮され、ピーク時の商品のピッキングは1時間2000個に達し、1つの商品の仕分けコストを50%削減し、在庫構造の最適化し、在庫回転を加速させ、死蔵在庫の発生率を低減させることができる」。大手小売企業の蘇寧易購(Suning.com)IT本部責任者の荊偉(Jing Wei)氏は、持続的なテクノロジーのモデルチェンジと投入を通じ、商品のサプライチェーンのデジタル化の面で、グループ全体が豊かな成果を上げ、消費者の需要に応じてスマートな商品選択、スマートな商品在庫管理のために最大限の努力を尽くしたと述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News