【7月5日 People’s Daily】近年、中国江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)では、「美しい村」づくりが進められ、小さな山村が様変わりし、村民の生活も変わってきている。

 青れんがと木の柵で囲われた小庭は静かかつ優雅で、その先に広がるバルコニーには五色梅(ゴシキバイ)が風に揺れていた。庭の菜園には、赤色、黄色の唐辛子や緑の空芯菜が植えてあった。室内に入ると、きれいで明るい3つの部屋は色とりどりの草花や観葉植物で飾られている。58歳の謝鳳英(Xie Fengying)さんの家は、非常にユニークだ。

 謝さんの家がある南京市江寧区(Jiangning) 佘村は、山水資源と古民家文化資源を集めた村落だ。

 1990年代、村で石灰、採石業が興り、集団経済が活況を呈したが、生態環境は破壊された。このため、2000年以来、佘村の土地利用計画は基本的に農地を主とし、鉱山や鉱洞はすべて閉鎖された。

 2016年から、佘村は美しい村づくりを始めた。「三清一改」(ごみをきれいにし、溝をきれいにし、家畜の汚物をきれいにし、農村の居住環境に影響を与える悪い習慣を変える)作業をやり遂げる上で、自然生態を向上させ、田園風景を最適化し、公共サービスシステムを改善する。

 ますます住みやすくなる環境は、村人たちの幸福感を高め、村人たちが共同で「美しい庭」をつくる意欲をかき立てている。みんながいっせいに手を動かし、古村をしだいに詩趣がある田園にしていった。

 長年の居住環境が改善され、江寧区の黄竜峴村(Huanglongxian)も、交通が封鎖され、経済的にも立ち遅れていた小さな村から、美しい村づくりのモデル村として有名になった。

 黄竜峴村は農村の居住環境を改善するため、古い家を改装し、道路を整備し、汚水処理と「トイレ革命」を本格的に推進している。紹介によると、これらの改造の実施過程で、同村は環境優位と農業の特色を残し、「村+」現代農業やレジャー観光、商業・貿易・文化クリエーティブ産業の産業チェーンもつながった。一方で、南京農業大学(Nanjing Agricultural University)の茶葉科学研究所などの科学研究機構と連携し、黄竜峴茶の標準化生産体制を構築し、広めている。村集団、町、村民が共有する茶葉の統一ブランドをつくり、茶葉の売り上げ総額は年間3600万元(約6億1800万円)に達した。そのほか、生態資源の利点を観光資源に転化し、デザイナーズ民宿、アグリテインメント、茶屋などの農村レジャー観光の新業態を導入し、「美しい経済」の新しい活力を生み出している。

 黄竜峴村の茶畑や竹海には、初夏の行楽シーズンに大勢の観光客が訪れた。統計によると、同村の一日の観光客数は延べ5万人に達し、村集団の年間事業所得は約500万元(約8560万円)にのぼり、村民の一人当たりの収入は高速成長を遂げた。

 紹介によると、南京市は2025年までに美しく住みやすい村を累計で約3000か所建設し、省レベルの特色ある田園風景ある村約100か所を創設するという。農民が収入を増やし、豊かになり、農業に融合的に発展させるための、より強固で豊かな基盤と保障がある。(c)People’s Daily/AFPBB News