【7月5日 AFP】(更新)ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は4日、独立記念日(Independence Day)の演説で、米国は新型コロナウイルスとの闘いにおいて大きな成果を上げているが、まだ「打ち負かした」わけではないと警鐘を鳴らした。

 バイデン氏は、ホワイトハウス(White House)のサウスローン(South Lawn、南庭)に招いた暮らしに必要不可欠な仕事に従事するエッセンシャルワーカーや米軍関係者ら約1000人を前に演説し、1776年の大英帝国からの独立宣言と、新型コロナウイルスからの急速な復活を比較した。

「245年前、われわれは遠い国の王から独立を宣言した。今日、死に至るウイルスからの独立を宣言することに、かつてないほど近づいている」

 また、「わが国は新型コロナウイルスに対して優位に立っている」と訴えた。その上で、「勘違いしないでほしい。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を打ち負かしたわけではない。デルタ株のような感染力の強い変異株が出現していることを皆、分かっている」と付け加え、新型コロナウイルスによってこれまでに亡くなった人々に哀悼の意を表した。米国の死者は60万人を超えている。

 バイデン氏は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権時代に激しく、時には暴力的に分断された米国が、自身のリーダーシップの下で「また一緒になる」と非常に楽観的な姿勢も見せた。

 今年の独立記念日は、新型コロナウイルスを過去のものとする機会と考えられており、首都ワシントンの国立公園ナショナルモール(National Mall)には、花火を見るために大勢の市民が詰め掛けた。

 しかし、こうした祝賀ムードとは裏腹に、バイデン政権はワクチン接種を受けていない国民が今なお大勢いることに懸念を示した。

 バイデン政権は、独立記念日までに成人の70%が少なくとも1回目のワクチン接種を受ける目標を掲げてきたが、目標にはわずかに届かず、2回目のワクチン接種を済ませた割合は46%にとどまっている。(c)AFP