【7月3日 AFP】(写真追加)静岡県熱海市で3日、大規模な土石流が発生して複数の住宅が流されるなどし、2人が心肺停止の状態で発見された。また約20人の安否が分からなくなっている。熱海では1日から3日にかけて、平年の7月の1か月の雨量、242.5ミリを上回る記録的な大雨となっていた。

 テレビで放映された現場の映像には、複数の建物が土石流にのみ込まれ、土砂に覆われる様子が捉えられていた。

 現場付近の寺院の住職はNHKの取材に対し、外に出るとすでに土砂が道路を覆っていたと話し、「消防が付近の人に避難を促している最中にすごい音がして土石流が流れてくるのが見えたので、走って高台に避難しました。戻ってみると、寺院の前にあった家も車も流されていました」と語った。

 静岡県危機管理部の担当者は自衛隊の災害派遣を要請していると明らかにし、川勝平太(Heita Kawakatsu)静岡県知事は記者会見で、土砂崩れに巻き込まれて安否不明になっている人は約20人だと述べた。

 土砂災害が発生したのは3日午前10時30分ごろ。複数の家屋が流されたと熱海市職員は述べている。

 東京電力(TEPCO)によると、熱海市内の約2800戸が停電している。

 動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」に投稿された現場の動画には、坂道の途中で止まっている白い車がゆっくり流れてくる大量の土砂に埋まる寸前で移動し、その後、ものすごい勢いで土石流が押し寄せてくる様子が映っている。

 国内メディアによると、菅義偉(Yoshihide Suga)首相は3日午後、災害の被害や対応について閣僚らと協議した。(c)AFP/Natsuko FUKUE