【7月3日 AFP】今週、気温52度を記録したイラクでは1日以降、南部で停電が発生し、多くの人が猛烈な暑さにひたすら耐える生活を余儀なくされている。

 港湾都市バスラ(Basra)をはじめ、イラク南部の4県では1日以降、停電が続いている。うだるような暑さに加え、湿度も高い。

 夏のイラクでは高温による停電は珍しくないが、今回の停電には他の要因も関係している。

 石油輸出国機構(OPEC)加盟諸国の中で第2位の産油国であるイラクでは、数十年に及ぶ紛争とインフラの整備不足で電力供給網が十分に機能しておらず、隣国のイランからガスと電力を購入して電力供給の約3分の1を賄っている。

 しかし、イランは先月29日、イラク電力省が60億ドル(約6700億円)以上の支払いを滞納しているとして、同国への電力供給をストップする方針を決定した。

 イラク側は支払いが滞っている理由として、イランに米国が制裁を科しているために送金が規制されていること、原油価格の下落による金融危機、そして新型コロナウイルスの感染拡大の影響を挙げている。(c)AFP/Salam Faraj with AFP correspondents across Iraq