【7月2日 AFP】ロシアに近いウクライナ東部に位置する観光名所も何もない町が、旧ソ連領だった過去と距離を置くため、「ニューヨーク(New York)」という旧名に戻した。

 ウクライナ分離派の拠点ドネツク(Donetsk)にほど近いノブゴロドスケ(Novgorodske)は長年、昔の名前を取り戻す運動を続けてきた。町は1日、ウクライナ議会で300人以上の支持を取り付けた。

 在ウクライナ米国大使館は、「私たちの緊密な関係を祝う理由がまた増えた。私たちはあなた方の新しくて古い名前の大ファンだ!」とツイートした。

 人口約1万2000人のこの町は、女帝エカチェリーナ2世(Catherine the Great)の時代にロシアに渡った、キリスト教プロテスタントのメノー派(メノナイト、Mennonite)の信者らによってつくられ、「ニューヨーク」と名付けられた。しかし1951年、イデオロギー的な理由でソ連当局によって改名された。

 2014年にロシアがクリミア(Crimea)半島を併合。町はロシアが支援する分離独立派とウクライナ政府との紛争の最前線に位置することになった。

 ウクライナは2015年、ソ連時代の過去と決別するために、ソ連のシンボルや共産主義時代のプロパガンダを禁止する法律を制定した。(c)AFP