【7月2日 AFP】香港で1日夜、警察官が50歳の男に刃物で襲われ、重傷を負う事件が起きた。容疑者の男はその後、自分の胸を刺して死亡した。保安局長は2日、男が政治的に「過激化」したローンウルフ(一匹狼)だったとの見方を示した。

 現地記者の生配信に、繁華街の銅鑼湾(Causeway Bay)で、黒いTシャツを着た男が、男性警官(28)の背中を刺すところが映っていた。

 警察によると、男はこの後、自分の胸を刺し、その傷が原因で死亡した。容疑者の身元は明らかにされていない。

 警官は肺に穴が開き、夜を徹しての手術を受けた。

 警察トップから先週保安局長に就任したばかりのトウ炳強(トウは登におおざと、クリス・タン、Chris Tang)氏は警官が入院する病院前で、「初動捜査では、ローンウルフ型の国内テロとみられている」と記者団に語った。

 トウ氏によると、男の自宅を捜索し、コンピューターから男が「過激化」したことを示すデータが見つかったと述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

 トウ氏は、「この事件の責任を問われるべきなのは、容疑者だけではない。日ごろから暴力を擁護し、国家への憎悪をあおり、こうした攻撃や暴力行為を美化する多くの人々もだ」と述べた。(c)AFP