【7月2日 AFP】インドで、バイクで2人乗りしていた兄弟がヒョウに追い掛けられたが、誕生日ケーキを投げ付けて難を逃れた。当局が1日、明らかにした。

 森林管理当局者は、「危険を感じた時に最初に思い付くのは、助かるためにできることを何でもやること。兄弟はそれをやった」とAFPに語った。「持っていたケーキをヒョウに投げつけた」

 主要紙タイムズ・オブ・インディア(Times of India)によると、兄弟は、フィロズ・マンスーリ(Firoz Mansuri)さんとサビール(Sabir Mansuri)さん。

 中部マディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州で夕方、フィロズさんの息子の誕生会に出ようとバイクを走らせていたところ、サトウキビ畑からヒョウが突然飛び出してきた。

 兄弟は加速して振り切ろうとしたが、ぬかるんだ道で追い付かれた。後ろに乗っていたサビールさんは、誕生日ケーキが入った箱を投げるほかなかった。

 ケーキは見事命中。動揺したヒョウは追跡をあきらめ、ケーキには見向きもせずに、一目散にサトウキビ畑に戻っていった。

 同紙によると、サビールさんは、「500メートル以上追い掛けられた。危うく死ぬところだった」と述べた。

 政府発表では、ヒョウの個体数は2014~18年に60%以上増えて約1万3000頭となっており、マディヤプラデシュ州で最多となっている。

 ヒョウはトラほど人を恐れず、しばしば村に入り込んでおり、町にも出没することがある。

 大人が襲われることはめったにないが、子どもは比較的襲われやすい。先月には北部カシミール(Kashmir)地方で、自宅の庭にいた4歳女児がヒョウにさらわれ、翌日遺体で見つかった。(c)AFP