【7月2日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は1日、フロリダ州の集合住宅の一部が崩落した事故の現場を訪問し、犠牲者や安否不明者の家族の苦境から「立ち直る力」を称賛した。一方、残る建物が倒壊する危険から、捜索活動が一時中断した。

 バイデン氏は、がれきの下から生存者が見つかる可能性がまだあると述べた。さらに、安否不明者の家族と面会した後、「家族は非常に現実的だ」と述べる一方、救助活動と復旧活動を継続すべきだとの考えを示した。

 バイデン氏は家族について、「立ち直る力」と「答えを見つけるために何でもするという姿勢」に驚かされたと述べた。「きょう伝えたいことは、私たちは一つの国として、あなたたちと共にあるということだ」

 現場の捜索活動は、残る建物が倒壊する恐れから中断されており、厳しい状況となっている。

 マイアミデード(Miami-Dade)郡のアラン・コミンスキー(Alan Cominsky)消防署長は、「垂れ下がっている大きな柱が、落下する恐れがある」と警告し、崩落した建物内での活動が「さらなる崩落を引き起こす可能性がある」と述べた。

 同郡のダニエラ・レビン・カバ(Daniella Levine Cava)郡長によると、捜索活動は専門家による検査の後、夕方近くに再開された。

 カバ氏は6月30日夜、これまでに4歳と10歳を含む18人の死亡を確認したと明らかにした。140人以上が安否不明で、生存者発見への期待は薄れている。

 バイデン氏と妻のジル(Jill Biden)氏は、救急隊員を支援し、悲しむ親族を慰めたいとして、早めにホワイトハウス(White House)を出発した。

 バイデン氏は救急隊員に「あなた方が今していることは、非常に困難なことだ」と述べた。「ただ感謝を伝えたい。ありがとう、ありがとう」

 夫妻は、事故現場から1区画離れた場所に設けられた「希望と追悼の壁(Wall of Hope and Memorial)」に立ち寄り、フェンスに沿ってゆっくりと歩きながら、張られた写真やメッセージを見た。

 ジル氏が白いアヤメの花束を手向けた後、夫妻はしばらく立ち止まり、バイデン氏が頭を下げると、十字を切ってその場を後にした。(c)AFP/Chris Stein with Sebastian Smith in Washington