【7月1日 AFP】(更新)世界保健機関(WHO)は1日、2か月以上減少を続けていた欧州の新型コロナウイルス感染者数が増加に転じたと発表した。「自制心を維持しない限り」新たな流行の波が訪れるだろうと警告した。

 WHO欧州地域事務局のハンス・クルーゲ(Hans Kluge)事務局長は記者会見で「先週は感染者数が10%増加した。人々の交流や旅行、集会、社会的制約の緩和などが原因だ」と指摘した。

 クルーゲ氏は、今回の増加の背景には、インドで最初に確認された変異株「デルタ株」の存在があると述べた。EUの欧州疾病予防管理センター(ECDC)がまとめた報告によると、来月末までに感染力の強いデルタ株がEU内の感染の90%を占めるようになると推算されている。

 またワクチン接種率についてクルーゲ氏は、社会全体が安全になるレベルには程遠いと指摘。WHO欧州地域の国々のワクチン接種率は平均24%で、高齢者の5割と医療従事者の4割の接種が済んでいないとして、「これは容認できない。成人の8割という推奨される接種率にはるかに及ばない」と述べた。(c)AFP