【7月1日 AFP】米ペンシルベニア州最高裁判所は6月30日、15年前に女性に性的暴行をしたとして米コメディアンのビル・コスビー(Bill Cosby)受刑者(83)に言い渡されていた有罪評決を破棄し、同受刑者の釈放を認めた。セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」にとって打撃となる判決だ。

 コスビー受刑者は、2004年にフィラデルフィア(Philadelphia)の自宅でアンドレア・コンスタンド(Andrea Constand)さんに性的暴行を加えたとして、2018年に有罪評決を受けていた。#MeToo運動が世界的に拡大して以降、著名人が性的暴行で有罪となったのは同受刑者が初めてだった。

 コスビー受刑者は禁錮3年以上10年以下の量刑を言い渡され、これまでに2年余りの刑期を終えていた。だがペンシルベニア州最高裁は、同受刑者が公正な審理を受けられなかったとして、有罪評決を破棄。当局によると、同受刑者は釈放された。

 コスビー受刑者に対しては60人以上の女性が性的被害を告発していたが、コンスタンドさん以外の事案は出訴期限が過ぎていたため、訴追には至らなかった。

 映像は釈放され自宅に戻ったコスビー受刑者。Vサインのポーズをする様子も見られた。米CBSテレビが6月30日撮影・提供。(c)AFP