【6月30日 AFP】世界保健機関(WHO)は30日、中国を蚊が媒介する感染症マラリアの清浄国に認定した。中国は70年にわたり根絶に取り組んできた。

 中国では、1940年代には年間3000万人のマラリア患者が報告されていたが、直近では4年連続で国内感染者が一人もいなかった。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、「目標を定めて数十年におよび続けてきた活動の成果だ。この発表をもって、中国は、マラリアがない未来は実現可能だと世界に証明する国々の仲間入りをする」と述べた。

 国内感染者が3年連続でゼロだった国は、WHOのマラリア清浄国認定に申請することができる。厳格な証拠の提示と感染の再発を防ぐ能力があると示すことが求められる。

 WHOがマラリア清浄国と認定した世界の国・地域は中国で40番目。近年では、エルサルバドルが今年認定を受け、2019年にはアルジェリアとアルゼンチンが、2018年にはパラグアイとウズベキスタンがそれぞれ認定されていた。

 これとは別に、マラリアが存在したことがなかったり、特別な対策をせずとも消えたりした国が61か国ある。

 WHOの西太平洋地域でこれまでに清浄国認定されていたのは、1981年のオーストラリア、1982年のシンガポール、1987年のブルネイのみで、中国は同地域で34年ぶりの認定となった。(c)AFP/Robin MILLARD