【6月30日 AFP】29日に行われたテニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)の男子シングルス1回戦で、ブノワ・ペール(Benoit Paire、フランス)が無気力プレーで警告を取られ、さらに観客から「自分たちの時間を無駄にするな」とやじを浴びる出来事があった。

 ペールは日没順延により前日から持ち越しとなった大会第9シードのディエゴ・シュワルツマン(Diego Schwartzman、アルゼンチン)戦に3-6、4-6、0-6のストレートで敗れたが、29日に行われた第3セットはわずか15分で決着がついた。

 その終盤、ペールはリターンを2本連続でネットにかけると、主審からもっとちゃんとプレーするように警告を受け、さらに近くにいた観客から「自分たちの時間を無駄にするな!」と叫びかけられた。

 これに対してペールは、「やるべきことが何もない」状況だったと主張し、「熱くなりすぎ」だと主審を非難。さらに「第3セット0-5の0-30の時点での警告だったし、15分しかプレーしていなかった」と話し、「自分には2本連続でミスする権利がある。ばかげた話だ」とコメントした。

 2019年の前回大会はベスト16に入り、2015年以降は1回戦敗退がなかったペールだが、このところはテニス界の新型コロナウイルス対策に対するいら立ちから問題行動や発言も目立っている。

 モンテカルロ・マスターズ(Monte-Carlo Rolex Masters 2021)初戦敗退の後にはテニスが「どうでもいい」と発言し、続く全仏オープン(French Open 2021)も1回戦で敗退。「度重なる、深刻で無分別な行動」が理由で東京五輪のフランス代表の選考からも外された。

 それでもペールは「ずっと言っている通り、自分にとってバブルは難しい。この状況が続く限り、自分はベストを尽くし、できることをやるしかない」と強調している。

「自分たちがバブルに押し込められている中、(ロンドンの)外ではみんながバーに繰り出して酒を飲み、誰もマスクを着けていないし、マスクなしで1センチの距離から話しかけてくる観客もいる」

「こういう連中からコロナをうつされてもおかしくない」 (c)AFP