【6月30日 People’s Daily】火星探査機天問1号(Tianwen-1)が「周回、着陸、巡視」の目標を一挙に実現し、中国初の火星探査任務が無事に成功した際、中国国家航天局は6月12日に北京で記者会見を行った。同局の許洪亮(Xu Hongliang)報道官は、天問1号の任務成功は中国の宇宙航空事業の自主的イノベーションの飛躍的な発展の象徴的成果であり、中国の宇宙航空発展史における6つの初を達成したと述べた。

 6つの初とは、第一に、地球から火星へのホーマン遷移軌道探査機の初の打ち上げだ。第二に、惑星間飛行の初めての実現。第三に、地球外惑星への軟着陸の初の実現だ。第四に、地球外惑星の地表巡視探査の初の実現。第五に、4億キロメートルの距離での追跡・遠隔測定・コマンド通信の初の実現。第六に、火星の一次科学データの初の収集だ。許報道官は、「世界の宇宙航空史において、天問1号は火星に初めて中国人の足跡を残しただけでなく、1回の任務での周回、着陸、巡視の3大目標の初の達成でもあった。中国の宇宙関係者の知恵を十分に示し、中国が惑星探査分野で世界の先進水準に飛躍したことを示している」。中国初の火星探査任務はスタートラインや、難易度が高く、多くの課題があった。論証段階から、新しい環境、遠い距離、大きなタイムラグ、多くのプロセスなどの多くの難題に直面していたと述べた。

 中国初の火星探査任務探査機システムの設計に携わった孫沢洲(Sun Zezhou)総設計士によると、火星の着陸降下過程は今回の任務で最もリスクの高いプロセスだ。このプロセスの中では、不慣れで変わりやすい火星の大気環境に直面する他、自主的に十数項目の重要な動作を完成させなければならない。

 発表会では中国の宇宙航空「十四・五」と今後の一定期間における発展の重点計画も紹介した。「十四・五」と今後の一定期間にわたり、中国の宇宙航空は、宇宙大国の建設に対する国家の決定・計画に基づき、宇宙科学、宇宙技術、宇宙応用の全面的な発展の推進を加速させ、宇宙科学技術の革新的な動力、経済社会の発展を支える能力を重点的に向上させ、より広範な国際交流協力を積極的に展開する。地球近傍小惑星のサンプルリターン、メインベルト彗星の周回・探査、火星のサンプルリターン任務などの実施を含む。紹介によると、中国は2025年前後に、地球近傍小惑星のサンプルリターンやメインベルト彗星の周回探査任務を実施し、地球近傍小惑星の周回・探査、着陸、サンプルリターンを実現する。また、2030年前後に、火星のサンプルリターン任務を実施するほか、木星系の周回・探査と惑星の通過・探査任務を実施する計画だという。

 中国初の火星探査任務プロジェクトの張栄橋(Zhang Rongqiao)総設計士は次のように表明した。中国の惑星探査プロジェクトは、全体計画、段階別実施と持続的発展という基本原則を堅持し、プロジェクト技術の発展およびホットな科学問題の研究需要を総合的に考慮し、2030年までに、火星探査を重点と基軸とし、「周回、着陸、巡視を一挙に実現し、サンプルリターンを次に達成する」という方針で進めていくことを明確にした。(c)People’s Daily/AFPBB News