【7月1日 AFP】中国共産党は9200万人の党員を誇る。党のイデオロギーや志に引かれ、そして世界第2位の経済国で成功するために必要な実践的な知識を求めて、さまざまな職業・地位の人々が入党している。しかし、この秘密主義の組織の内部の仕組みはほとんど知られていない。党内で党を公然と批判するのはいまだにタブーだ。

 中国共産党が7月1日、創立100年の節目を祝うに当たり、AFPは党員6人にインタビューして入党の理由を尋ねた。

■退役軍人

 激しい内戦を経て中国共産党が中華人民共和国の建国を宣言したのは1949年。その5年後に蘇曉東(Su Xiaodong)さん(67)は生まれた。入党は1974年、20歳の時だ。

「当時の若者は皆、入党したがっていた」と蘇さんは言う。「ずっと憧れだった」

 10年続いた文化大革命(Cultural Revolution)のため、10代の時には学校に行けなかった蘇さんは、1979年にベトナムとの間で行われた中越戦争に参加した。

 その後の市場改革で中国は経済大国への道を進んだが、「建国の父」毛沢東(Mao Zedong)の時代に育った蘇さんにとって、これはイデオロギー的に「ものすごく大きな」転換だったと話す。

「党員として、この新しい考え方を率先して唱え、人々に受け入れさせる必要があった」

■アーティスト

 シュールレアリスムの画家、楊納(Yang Na)さん(38)は2001年に入党した。

 首都・北京の日当たりの良いアトリエで、絵筆を大きく振るい、大胆な色調の絵を描いている。作品は、中国のみならず海外でも展示されてきた。

 楊さんは、画家として名を知られていることを生かし、中国の若者がどういうものか世界に伝えたいと考えている。

「中国人は皆同じではなく、中国共産党員も皆同じわけではない。そのことを知ってもらう役割を私なら果たせるのではないかと思う」