【6月29日 AFP】磁石で患者の顎を固定する減量器具が、ニュージーランドで開発された。研究班は肥満解消の新ツールとうたう一方、中世の拷問器具のようだとの批判も出ている。

「デンタルスリム・ダイエット・コントロール(DentalSlim Diet Control)」は、上下の臼歯に取り付ける磁石と締め付けボルトから成り、装着すると顎が2ミリしか開かなくなる。

 研究を率いる、オタゴ大学(University of Otago)のポール・ブラントン(Paul Brunton)氏は、この器具により呼吸や会話を阻害することなく食事を流動食のみに制限でき、「悪影響が一切ない」と語った。

 研究班は「世界の肥満問題の解決に役立つ、世界初の減量装置を開発した」としている。

 学術誌「ブリティッシュ・デンタル・ジャーナル(BDJ)」に今月掲載された論文によると、女性7人がこの器具を2週間装着したところ、体重が平均で6.36キロ減少した。女性らは装着当初は不快感を覚えたものの、おおむね「我慢できる」装置だと評価したという。

 しかしソーシャルメディアでは強い反発を招き、研究班が肥満者を侮辱していると非難したり、研究には倫理的な問題があると指摘したりする声が多く上がった。

 研究班は論文に、使用試験は倫理委員会の承認を受け、国際的なガイドラインにのっとって実施されたと明記している。(c)AFP