【6月29日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)は28日、男子シングルス1回戦が行われ、元世界ランキング1位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は6-4、6-3、5-7、6-3で大会第24シードのニコラス・バシラシビリ(Nikoloz Basilashvili、ジョージア)を破り、同大会のシングルスでは2017年以来の勝利を挙げた。

 マレーは2013年と2016年の2度にわたりウィンブルドン制覇を果たしたが、ここ数年は股関節や鼠径(そけい)部の故障との闘いに悩まされて現在は世界118位まで後退している。手術の必要に迫られた股関節のけがは特に長引き、涙ながらに現役引退を示唆する状況まで追い込まれたこともあった。

 この日は、第3セット5-0から2本のマッチポイントを逃すと、その結果コートの屋根を閉じるための中断が生じたが、それでも第4セットの最初のゲームでブレークに成功してそのまま勝利をつかんだ。

 忙しい展開となった試合後、「疲労を感じた場面もあったが、とにかくあまり闘志を燃やしすぎたり、興奮しすぎたりしないように心掛けていた」と振り返ったマレーは、勝利を後押ししてくれたセンターコートのファンに感謝し、「観客は本当に熱中していた。みんなスポーツを観戦したり、劇場に行ったりすることを心から恋しがっていると思う。とにかく外出して時間を楽しみたくて仕方がないんだ」と話した。

「きょうは、みんながのめり込んでいた。すごく良い雰囲気で、定員の半分しかいないとは感じないくらいだった」と続けたマレーは、2回戦でオスカー・オッテ(Oscar Otte、ドイツ)とアルトゥール・リンデルクネシュ(Arthur Rinderknech、フランス)の勝者と対戦する。(c)AFP