【6月29日 AFP】米フロリダ州で集合住宅の一部が崩落した事故で、地元当局は28日、現場から新たに1人の遺体が収容され、死者は10人となったと発表した。現在も151人の安否が不明となっており、現場では捜索が続いている。

 24日未明に起きた今回の事故をめぐっては、建物の大部分がわずか数秒で崩壊したことについての疑問の声が高まっている。専門家らは、建物の構造に重大な欠陥があった可能性を調べている。

 25日夜に地元当局が公表した2018年10月の報告書では、事故が起きた築40年の12階建て集合住宅「チャンプレイン・タワーズ・サウス(Champlain Towers South)」にはプール周辺の下のコンクリート層から駐車場の柱や梁(はり)にかけて「大きな構造上の損傷」がある恐れを指摘し、修理の必要があると結論。建物は近く修理が行われる予定だった。

 専門家らは崩落の瞬間を捉えた映像から、建物の一部が崩壊することで連鎖的にほかの部分も崩壊する「進行性崩壊」が起きた可能性があるとみている。今回の場合、最初の崩壊は建物下部の駐車場、あるいはさらにその下層部分で起きた可能性がある。(c)AFP