五輪のレジェンドたち(1976~1988年)
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■十種競技の王者、デイリー・トンプソン:陸上(英国)
路上のいさかいで父親が射殺された時、デイリー・トンプソン(Daley Thompson)は寄宿制の学校で学んでいた。そんな悲劇を乗り越えて、史上最も輝かしい十種競技選手になった。2個の五輪金メダルを獲得、4個の世界記録を樹立した。
その激しい競争心と不遜な態度には賛否両論あるトンプソンは、米独日などがボイコットした1980年モスクワ大会で初めて五輪金メダルを勝ち取った。
1979年から1987年まで無敗を誇り、世界、五輪、英連邦、欧州の4タイトルを制覇した唯一の十種競技選手だ。
■オーエンスの後継者、カール・ルイス:陸上(米国)
カール・ルイス(Carl Lewis)は1984年ロサンゼルス大会で、同胞ジェシー・オーエンス(Jesse Owens)が1936年ベルリン大会で達成した偉業に肩を並べた。100メートル、200メートル、走り幅跳び、4×100メートルリレーの陸上4冠だ。
1988年ソウル大会では、100メートルで2度目の五輪金メダルを獲得。ただし、1位フィニッシュのベン・ジョンソン(Ben Johnson、カナダ)がドーピングで失格したことによる2位からの繰り上がりだった。さらに走り幅跳びも連覇し、200メートルは銀だった。
1992年バルセロナ大会で、ルイスは4×100メートルリレーのアンカーとして米国を勝利に導くと、走り幅跳び決勝では、ライバルで世界記録保持者のマイク・パウエル(Mike Powell、米国)を破り3連覇を果たした。
自国で開催された1996年のアトランタ大会で、35歳となったルイスは残る力を振り絞り、走り幅跳びで4度目の優勝。9個目の五輪タイトルに輝いた。
1999年、国際陸上競技連盟(IAAF、現世界陸連)は、20世紀を代表する男子アスリートとしてルイスを指名。国際オリンピック委員会(IOC)も2000年、20世紀を代表するスポーツ選手としてルイスをたたえた。(c)AFP