【6月27日 AFP】インドネシアの活火山ブロモ(Bromo)山で26日、何世紀も続く宗教儀式「カサダの祭り(Yadnya Kasada)」が行われた。地元テンガル(Tengger)の人々は、煙が立ち上る火口に果物や野菜、花、ヤギやニワトリといった家畜などの供物を投げ入れ、先祖やヒンズー教の神々に繁栄を祈った。

 火口ではテンガル以外の村人が、網やサロン(布)で供物が煙の中に消える前に取ろうと待ち構えている。これは厳密に言えば儀式の一部ではないが、供物が無駄にならないようにという人々のつつましい気持ちが表れている。

 1か月続くカサダの祭りの起源は15世紀、ジャワ(Java)島で栄えたマジャパヒト(Majapahit)王国にさかのぼる。

 結婚後長いこと子どもができなかった国王夫妻が神に祈った。すると、生まれてくる末の子をブロモ山の火口に投げ入れていけにえにするならば、25人の子どもを授けると約束された。末の息子は、テンガルの繁栄のため進んで火口に飛び込んだという。今では人間ではなく、収穫物と家畜がささげられるようになった。(c)AFP