【6月26日 AFP】カナダの寄贈品再販店で先ごろ見つかった英歌手、故デヴィッド・ボウイ(David Bowie)さんが描いた絵画作品がトロントで競売にかけられ、10万8120カナダ・ドル(約970万円)で落札された。オークション会社が25日、発表した。作品は当初、再販店で5カナダ・ドル(約450円)で購入されていた。

 競売を主催したオークション会社「カウリー・アボット(Cowley Abbott)」は、作品の予想落札価格を9000~1万2000カナダ・ドル(約80万~110万円)としていた。落札したのは米国人のコレクターだった。

 作品のサイズは24×20センチで、コンピューターとアクリル絵の具が使われ、真紅の背景に青白い顔で青みがかった髪と服の人物が描かれている。「D Head series」として知られるシリーズのうちの一つで、1995~97年に制作されたこのシリーズで描かれているのは、ボウイさん自身や友人、知人らのポートレートだ。

 当初は2001年ごろにウェブサイトを通じて販売されたが、20年後にトロントの北300キロに位置するオンタリオ州サウスリバー(South River)の寄贈品再販店で売られていたところを匿名の人物が5カナダ・ドルで購入した。

 競売は2週間にわたってオンラインで実施され、カウリー・アボットのロブ・カウリー(Rob Cowley)氏は競売の開始時に、「この作品が本物であることが分かり、とても興奮した」とAFPに語っていた。作品の裏面に書かれたボウイさんのイニシャルは、ボウイさんのサインの専門家が鑑定したという。

 ボウイさんは美術学校で学んでいたこともあり、生前に収集した数百点の美術品は死後に数千万ドルで売却された。しかし、カウリー氏によると、ボウイさん自身が制作した作品が売りに出されることは珍しい。

 ボウイさんは、69歳の誕生日に25枚目のアルバム「★(ブラックスター、Blackstar)」を発表し、その2日後の2016年1月10日にがんで亡くなった。(c)AFP