【6月25日 AFP】菅義偉(Yoshihide Suga)首相は25日、宮内庁の西村泰彦(Yasuhiko Nishimura)長官が東京五輪をめぐり、天皇陛下が感染拡大につながらないか懸念されていると拝察していると述べたことについて、長官の見解だとの見方を示した。

 報道によると、西村長官は24日の記者会見で「陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変心配されている」と発言。陛下が「国民に不安の声がある中で、開催が感染拡大につながらないか、懸念されていると拝察する」と述べた。

 共同通信(Kyodo News)は、長官が「陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはない」が、そう感じていると述べたと伝えている。

 菅首相は翌日報道陣に対し、西村氏は「本人の見解」を述べたとの見方を示した。

 日本の憲法では、天皇は政治的役割を持たない国の象徴と定義されている。

 加藤勝信(Katsunobu Kato)官房長官は、政府が「安心・安全な」五輪の開催に努めていくと強調したと、共同は報じている。

 ここ数か月間、世論調査では今年の東京五輪開催への反対意見が多数だった。だが最近の調査は、反対意見が減少傾向にあることを示している。(c)AFP