中国で共産党創立100周年の映画、ドラマ相次ぐ 「愛国」作品は人気ジャンルに
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【6月25日 東方新報】7月で中国共産党創立から100年を迎える中国で、それを記念した映画やドラマが花盛りとなっている。7月1日の建党記念日には今年の注目映画『1921』が公開される。
『1921』は、平均年齢28歳の結党メンバー13人が上海に集まり、第1回党大会を開く過程を描いている。アイドルグループ「TFBOYS」の王俊凱(Wang Junkai)さんらイケメンの俳優、歌手らを多く起用している。6月13~20日に開かれた中国唯一のコンペティティブ長編映画祭・第24回上海国際映画祭では、オープニング作品に選ばれた。
中国では祖国をたたえ、民衆や英雄を賛美する映画を「主旋律映画」と呼ぶ。簡単に言えば「愛国映画」である。主旋律映画には、「政府が勧めるが国民はシラける作品」という意味合いの時期もあったが、近年は著しい中国の経済成長を背景に国民の愛国意識も高まり、人気ジャンルとなっている。
2019年では、中華人民共和国成立70周年を記念したオムニバス作品『我和我的祖国(英題:My People,My Country)』、航空機事故で大惨事を防いだ実話をテーマにした『中国機長(英題:The Captain)』、エベレストに挑む中国登山隊を描いた『攀登者(英題:The Climbers)』が話題となった。
昨年は、1937年に始まった日中戦争最初の大型会戦で日本軍と死闘を繰り広げた800人の壮士を描いた『八佰(英題:The Eight Hundred)』が興行収入4億6130万ドル(約511億8124万円)に達し、2020年の世界興行収入ランキング1位に輝いた。朝鮮戦争勃発70年を記念し、米軍との戦いを題材にした『金剛川(英題:The Sacrifice)』もヒットした。
「我和我的祖国」は、『さらば、わが愛/覇王別姫(英題:Farewell My Concubine)』『始皇帝暗殺(英題:The Emperor and the Assassin)』『北京ヴァイオリン(英題:Together)』などで知られる巨匠・チェン・カイコー(Kaige Chen)監督らがメガホンを取った。『八佰』はアジアで初めて全編、最先端のIMAXカメラで撮影され、戦争シーンの迫力が評判だった。米ハリウッド(Hollywood)を上回るような潤沢な製作費用を背景に、優秀なスタッフや技術が結集していることが主旋律映画の好調の一因だ。
中国メディアによると、テレビドラマだけで建党100周年を記念した100近い作品が年内に放送されるという。中国は新型コロナウイルスをいち早く克服したとして、国民の間に自信が高まっている。建党100周年を通じて団結心を高め、来冬の北京冬季五輪を成功に導こうとしている。(c)東方新報/AFPBB News