【6月24日 AFP】英王室は24日、王室職員に占める人種的少数派の割合を初めて公表し、多様性に関する取り組みが不十分だと認めた。

 2011年の国勢調査によると、人種的少数派は総人口の約13%を占めるが、今回の発表によると、王室職員に占める割合は8.5%だった。このデータはこれまで公表されておらず、さまざまな臆測を呼んできた。

 バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)筋は英PA通信(Press Association)に対し、データを公表したことで、王室は隠し事ができなくなり、説明責任の向上につながると語った。

 英王室は、2020年に多様性に関する規定を改め、包摂(インクルージョン)の重要性を訴えた。2022年に人種的少数派が王室職員に占める割合を10%にするという目標を立てている。

 同宮殿筋は、「王室は望ましい状態ではない。多様性と包摂に関する取り組みを進めてこなかったわけではないが、望んだ結果が出ていない」と述べた。「一層の努力が必要だと認識している。データ公表の重要な点の一つは、隠し事ができなくなることだ」

 3月にはヘンリー王子(Prince Harry)とメーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)夫妻が、誕生前だった第1子の肌の色について、ある王室メンバーが懸念を示していたと暴露。これを受け、ヘンリー王子の兄のウィリアム王子(Prince William)は記者らに対し、英王室は決して人種差別主義ではないと断言していた。(c)AFP/Imran MARASHLI