【6月24日 AFP】宮殿で監禁状態にあり、命の危険にさらされていると訴えていたアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(Dubai)首長の娘ラティファ(Latifa)王女(35)が23日、現在は自由に旅行できるようになっていると、法律事務所を通じて発表した。

 英BBCは今年2月、ラティファ王女が監禁状態にあり、命の危険にさらされていると訴える動画を公開した。これを受け、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、スイス・ジュネーブに駐在するUAEの外交団に対し、王女の生存の証拠を求めた。

 今月21日、空港で同行者と一緒にいるとみられるラティファ王女の写真がソーシャルメディアで公開され、ラティファ王女が自由に旅行できるようになっているのではないかとの見方が浮上していた。

 ラティファ王女は、法律事務所テイラー・ウェッシング(Taylor Wessing)を通じて文書を発表し、「最近の休暇で、友人と一緒に欧州3か国を訪れました」と述べた。

「私が行きたいところに行けることを支援者のみなさんに示すため、数枚の写真をネットに投稿するようこの友人に頼みました。私は、メディアにこれ以上詮索されることのない、平穏な生活を望んでいます。みなさんの温かい心遣いに感謝します」

 ドバイはUAEの七つの首長国の一つで、ムハンマド・ビン・ラシド・マクトム(Mohammed bin Rashid al-Maktoum)首長は、UAEの副大統領と首相を兼任している。

 ラティファ王女は2018年3月に友人の助けを借り、ヨットで国外脱出を試みたが失敗。以来、公の場に姿を現していない。

 21日に公開された写真には、空港の滑走路近くでマスクをした2人の女性が並んで写っており、キャプションには「ラティファと欧州での素晴らしい休日。楽しく探検している!」と書かれている。

 コメント欄には、スペイン・マドリードのバラハス(Barajas)空港で撮影された写真かという問いが寄せられ、アカウントの主は「その通り」と答えている。

 写真が公開されたアカウントについて英メディアは、元英海軍兵士のシオネッド・テイラー(Sioned Taylor)という女性のものとしている。

 なお、AFPはこの写真が本物かどうかや撮影日時を確認できていない。ドバイ当局に写真に関するコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。(c)AFP