【6月24日 AFP】ロシア政府は23日、黒海(Black Sea)でロシア領海に侵入した英海軍の駆逐艦に対し、警告射撃を行ったと発表した。だが英政府はこれを否定し、警告射撃はなかったと主張している。

 ロシアの国境付近では、欧米諸国との緊張関係が高まった際などに西側諸国の航空機や艦船がかかわる事案が起きることは珍しくないが、射撃が行われることはまれ。ロシア政府によると、今回の事案はロシアが2014年にウクライナから併合したクリミア(Crimea)半島の沖合で起きた。

 ロシアのインタファクス(Interfax)通信が国防省の発表として伝えたところによると、ロシア側は英駆逐艦「ディフェンダー(HMS Defender)」に対し、領海に侵入した場合には武器を使用すると警告。だが駆逐艦がこれを無視したため、国境警備隊の艦船が警告射撃を行い、スホイ24(Su-24)爆撃機が駆逐艦の針路に爆弾4発を投下した。駆逐艦はその後、ロシア領海を去ったという。

 英国防省は直ちにロシア側の発表を否定し、駆逐艦は国際法に沿った形でウクライナ領海を通過しており、同艦に対する警告射撃はなかったと主張。ロシアは「砲撃演習を実施」しており、その活動について事前に警告をしたとの見解を示した。(c)AFP