【6月23日 AFP】日本の最高裁大法廷は23日、夫婦同姓を義務付ける法規定を「合憲」と判断し、別姓を求める申し立てを退けた。国内メディアが報じた。

 毎日新聞(Mainichi Shimbun)によると、申立人である事実婚の男女3組は2018年、婚姻届の夫婦どちらかの姓を選択する欄に夫婦両方にチェックを入れて提出したところ、自治体が受理しなかった。3組は、夫婦に同一の姓を選択させることは「憲法が保障する法の下の平等や婚姻の自由に反する」と主張した。

 大法廷は2015年にも、民法の夫婦同姓を義務付ける規定を合憲とする判決を出しており、今回も同様の判断を下した。一方で、制度の柔軟性を求める声が強まっているとして、国会で議論されるべきだとの認識も改めて示した。時事通信(Jiji Press)によると、申立人は2015年の判決について、社会の変化を考慮すれば合理性は失われていると主張していた。

 今回の判断について、国内メディアは大きく報じたものの、最高裁は今のところ詳細を発表していない。

 現行の規定では、夫婦は婚姻時にどちらかの姓を選択できるが、実際には大半の夫婦が夫の姓を選んでいる。夫婦同姓の規定は19世紀後半、筆頭者1人(通常は男性)を一家の主として親族関係を登録する戸籍制度の一環で設けられ、現在も維持されている。夫婦同姓の支持派は、家族で同一の姓を持つことは、家族の絆という観点から重要であり、規定変更を目指す動きは伝統的な価値観への攻撃だと訴えている。(c)AFP