【6月23日 AFP】海外駐在員にとって最も物価の高い都市は、トルクメニスタンの首都アシガバートであることが、22日に発表された調査結果で明らかになった。

 米コンサルティング会社マーサー(Mercer)が実施している「世界生計費調査─都市ランキング」2021年度版で、1位はアシガバート(前回2位)、2位は香港(前回1位)、3位はレバノンの首都ベイルート(前回45位)、4位は東京(前回3位)だった。

 ベイルートは、財政危機や新型コロナウイルスの流行、ベイルート港の爆発事故などによる「深刻な不況」の影響で、大きく順位を上げた。

 マーサー仏法人でグローバル・モビリティー・プラクティス・リーダーを務めるジャンフィリップ・サラ(Jean-Philippe Sarra)氏によると、アシガバートが香港を抜いて1位になった要因は、「国内の高いインフレ率」だという。

 トルクメニスタン経済は、天然ガスの輸出にほぼ全面的に依存しているが、2014年の世界的なエネルギー価格の下落により、通貨マナトが下落し、大勢が貧困に陥った。現在はそこから立ち直るべく苦闘している。

 スイスからは3都市がトップ10入りし、チューリヒが5位(前回4位)、ジュネーブが8位(前回9位)、ベルンが10位(前回8位)だった。

 中国本土からは2都市がトップ10に入り、上海が6位(前回7位)、北京が9位(前回10位)だった。

 シンガポールは7位(前回5位)だった。

 マーサーによると、米国の各都市は、インフレ率が上昇しているにもかかわらず今回順位を落としたが、その主要因は為替の変動だという。

 ニューヨークは順位を8落として14位(前回6位)になったが、米国で海外駐在員にとって最も物価の高い都市だった。

 海外駐在員にとって最も物価の安い都市となったのは、キルギスの首都ビシケクで209位だった。(c)AFP