【6月23日 AFP】東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は23日、大会開幕まで1か月となる中、会場での飲酒禁止やサイン禁止といった観戦時のガイドラインを発表した。

 組織委の橋本聖子(Seiko Hashimoto)会長は、プロ野球(NPB)やJリーグで一部認められている酒類の提供は五輪では行わないと話し、「少しでも国民のみなさんに不安があるのであれば、断念しなければならない」と考えて判断したことを明かした。

 会長は、安全安心な大会にするためにはお祭りムードを「できる限り抑える」必要があると話し、盛り上がりを抑える「工夫」が求められると認めている。

 組織委は21日に5者協議を行い、観客数の上限を1万人に設定した。しかし橋本会長は、現在開催されているサッカーの欧州選手権(UEFA Euro 2020)のように、会場でファンが楽しむ雰囲気にするのは難しいと話し、「欧州のような祝祭あふれる会場にはならない」という考えを示した。

 観客は会場入りの前に体温測定やマスクの着用などの新型コロナウイルス感染対策に従うことが必要で、条件を満たせず、入場できなかった場合でも払い戻しは行われない。

 会場内では声を出しての応援や、タオルを振り回す行為、あるいは肩を組んでの応援やハイタッチといった他の観客との直接的な接触は禁止で、自宅と会場との直行直帰も求められる。選手にサインを求めることもできない。

 橋本会長は「東京大会では、祝祭感を抑えることが大きな課題になってきている。(観客には)心で歓喜していただき、なるべく大きな声を出さず、歓喜の輪にいないように、さまざまな工夫をしながら、東京大会をより安全安心で乗り切っていくために努力をしているところ」とコメントした。(c)AFP/Sara HUSSEIN, Andrew MCKIRDY