【6月23日 AFP】今月洪水に見舞われた豪ビクトリア(Victoria)州ギプスランド(Gippsland)が、クモの巣に覆い尽くされている。

 シドニー大学(University of Sydney)の生態学者ディーター・ホフリ(Dieter Hochuli)氏によると、普段は地上で生活しているクモが、洪水から逃れるために高所を目指して張り巡らせたものだという。

「今回のような豪雨と洪水が発生すると、地上で隠れて暮らしている生物はそこにすめなくなり、私たちと同じように高所に移動する」とホフリ氏は豪テレビ局チャンネル7(Channel Seven)に語った。

 クモは、糸を出して即席のパラシュートを作り、風に乗って移動する「バルーニング」と呼ばれる行動で知られている。

 今月ビクトリア州を襲った暴風雨では、少なくとも2人が死亡した。犠牲者の遺体はそれぞれ、水没した車の中で発見された。

 最も被害の大きかった地域は長期間にわたって停電に見舞われ、数千人が影響を受けた。いまだ電気が復旧していない世帯もある。

 映像は14日撮影・22日提供。(c)AFP