【6月22日 AFP】元サッカー女子日本代表の横山久美(Kumi Yokoyama、27)が、トランスジェンダーであることを公表した。

 横山は2019年の女子サッカーW杯フランス大会(FIFA Women's World Cup 2019)の日本代表メンバーで、現在は米ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)のワシントン・スピリット(Washington Spirit)でプレーしている。

 日本は他の先進国と比べ性的少数者(LGBTQ)の権利に関して後れを取り、カミングアウトをするアスリートも少ないが、横山は米国で生活していることで性自認やジェンダーについて「オープン」にしていいと感じるようになったという。

 日本代表でチームメートだった永里優季(Yuki Nagasato)のユーチューブ(YouTube)チャンネルでカミングアウトをした横山は、最近は日本でもLGBTQという言葉が普及してきたとしつつ、「自分みたいな立場の人たちが声を大にして言わないと、まだまだ発展していかないと思った」と話した。

 また、日本では性役割に従わなくてはいけないというプレッシャーがあったが、米国や、フランクフルト(Eintracht Frankfurt)でプレーしたドイツでは差別が少ないと感じたと語った。

「日本だったら絶対に『彼氏いるの?』と聞かれる。でもこっちだと『彼氏、彼女どっちいるの?』という感じで聞かれる。それが普通」という横山は、「最初はちょっと隠していたが、(チームメートに)隠しているほうがださいよ。隠さなくていいんだよと言われた」と明かした。

 横山に対してはワシントン・スピリットもツイッター(Twitter)で「私たちは久美のことをサポートするし、本当に誇らしく思う。ありのままの自分を受け入れていいんだということを世界に示してくれてありがとう」と投稿し、支持を寄せている。(c)AFP