【6月25日 東方新報】中国本土に進出した最初の国際的な大規模テーマパーク・上海ディズニーランド(Shanghai Disneyland)が6月で開園から5周年を迎えた。ディズニーランドを中心とした「夢の国」は多くの観光客でにぎわい、上海市の経済成長に欠かせない存在となっている。

 開園5周年目の6月16日、上海ディズニーランドのシンボル、奇幻童話城堡(エンチャンテッド・ストーリーブック・キャッスル)前でアニバーサリーイベントが行われ、ミッキーマウス(Mickey Mouse)とその仲間たちが5回目の「誕生日」をお祝いした。来園者たちはディズニーグッズを身にまとい、笑顔で祝福していた。上海ディズニーではこの5年間に1万7673点のグッズが販売され、ぬいぐるみだけで577万個が売れている。

 世界で6番目のディズニーランドの上海ディズニーは、交渉から建設、開園まで約20年間を費やした。ディズニー側は当初、広東省(Guangdong)珠海市(Zhuhai)の横琴島も候補地に考えていたが、上海市側の熱心な活動で誘致に成功した。2016年6月16日の開園から1年間で予想を上回る1100万人強が来場。中国観光研究所のリポートによると、2016年6月から2019年6月まで、上海ディズニーの固定資産投資は上海市全体の域内総生産(GDP)に対して年率0.13%の貢献をもたらした。直接の雇用は年間1万人、間接的には年間6万人の雇用につながっている。上海市外からの観光客の3分の2以上が「ディズニーに行くため上海に来た」と回答。上海の滞在日数は2~3日、次いで3~5日が多く、上海の観光産業を引っ張る存在となっている。

 新型コロナウイルス感染症が拡大した昨年1月に上海ディズニーは休業したが、同年5月に再開。中国メディアは「新型コロナ発生以降、世界で最も回復したテーマパークだ」と報じ、中国がコロナ禍をいち早く克服した象徴にもなった。

 上海ディズニーは「中国色」を取り入れているのが特徴だ。エンチャンテッド・ストーリーブック・キャッスルには中国の国花・ボタンがデザインされ、ミッキーマウスが中国服を着て舞台に登場し、中華風のグッズやお菓子を販売している。ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)のボブ・アイガー(Bob Iger)会長は「上海ディズニーを中国風にアレンジすることは当初からのビジョンだった。

 上海ディズニーは大成功を収めており、この5年間協力してきた米国と中国のスタッフを大変誇りに思う」と称賛。中国側で運営に携わる申迪(Shendi)グループの楊勁松(Yang Jinsong)会長も「開園以来、中国と米国のパートナーは互いに信頼し、ハイレベルなリゾート空間を築き上げた。今後も協力の花を咲かせていく」とたたえている。政治、経済、安全保障においては激しい対立が続いている米中関係だが、「夢の国」では別世界のごとく蜜月関係が続いている。(c)東方新報/AFPBB News