【6月25日 CNS】中国では旧暦の端午節(5月5日)は伝統的な祝日の一つで、ちまき(粽子)を食べるのが古くからの風習。今年は6月14日に端午節を迎え、老舗の美食店、火鍋料理店、ミルクティーショップ、コーヒーショップなど多くの店舗が「ちまき戦争」に参戦した。

 もち米をアシの葉で包んで蒸す伝統的なちまきから、アイスちまき、中国で人気となっているタニシビーフン風味のちまき、ザリガニちまきなど、新タイプが次々と登場している。

 生鮮スーパー大手の盒馬鮮生(Hema Xiansheng)によると、端午節が近づくにつれて、ちまきの売り上げは増加した。伝統的なちまきが最も売れたが、タニシビーフンちまきやシーフードちまきなどの新タイプも若者層の関心を引きつけて売り上げは伸び続けた。

 中国では6月18日を中心とした期間にインターネット上の一大セール「6・18ショッピングフェスティバル」が行われている。オンラインショップサイト天猫(Tmall)によると、1990年代生まれの若者がちまきの購入人数と金額の両方で年代別のトップに立った。 6月1~7日のちまきの注文件数は141ポイント増で、金額ベースでは300ポイント増となった。

 南京市(Nanjing)のスーパーでちまきを買った陳さんは「最近の端午節では、家族が昔ながらのちまきを食べ、私が新タイプを試しに食べています。雰囲気が盛り上がっていいですね」と話す。

 新しい味のちまきは海外にも広がっている。ニュージーランドに長年住んでいる楊さんは「以前は華人向けスーパーで伝統的なちまきを買っていましたが、最近はオンラインで新しいちまきを手に入れ、子どもたちとさまざまな味を楽しんでいます」と話す。奇抜な味のちまきを買って期待外れだったこともあるが、「時代の流れに追いつくことが大事」と考えている。

「すべての食べ物がちまきになる」ような現状について、江蘇省(Jiangsu)飲食業協会の于学栄(Yu Xuerong)会長は「食べ物に革新が起きることで、伝統的タイプの食べ物もあらためて注目を集める」と話す。新しいちまきが次々と登場することで、若者が伝統文化に興味を抱くきっかけになると期待している。(c)CNS/JCM/AFPBB News