【6月22日 AFP】ベラルーシがアイルランドの航空会社ライアンエア(Ryanair)旅客機を強制着陸させ、搭乗していた反政権派ジャーナリストを逮捕した問題で、欧州連合(EU)と米英加の3か国は21日、ベラルーシに対する制裁を一斉に発表し、同国のアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領に対する圧力を強めた。

 EUと3か国は共同声明で「ルカシェンコ政権が続ける人権や基本的自由、国際法に対する攻撃について、われわれは団結して深い懸念を抱いている」と表明。

 EUと米国はいずれも、ベラルーシで昨年8月の大統領選後に行われた反政権派抑圧をめぐり、数十の個人・団体を制裁対象とした。大統領選ではルカシェンコ氏が勝利を宣言したが、欧米諸国は不正があったとの見解を示している。

 EUと英国は、先月起きたライアンエア機強制着陸に関して国防相と運輸・通信相を含む高官7人を制裁対象に追加。ルクセンブルクで会合を開いたEU諸国の外相はさらに、ベラルーシ政権の主要収入源である肥料輸出やタバコ産業、石油・石油化学製品に対する広範囲の制裁で合意した。

 昨年の大統領選での勝利を主張する野党指導者スベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は、ベルギーの首都ブリュッセルでAFPのインタビューに応じ、「民主主義社会」による今回の協調行動を歓迎。「制裁は団結して行われると、より強力だ」と語った。(c)AFP