【6月22日 AFP】スペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は21日、2017年にカタルーニャ(Catalonia)自治州が強行した独立の是非を問う住民投票に関連した罪で収監されている独立派9人に恩赦を与えると発表した。22日の週次閣議で承認される見通しで、カタルーニャ独立問題をめぐり何年も続いてきたこう着状態の打開につながる可能性がある。

 同自治州バルセロナ(Barcelona)で市民ら300人を前に演説したサンチェス首相は、政府は「和解を選択した」と表明。今回の恩赦により、和解に向けた「道が開かれる」との見解を示した。ただ、独立派が長く求めてきた大赦による有罪判決取り消しの決定には至らなかった。

 最高裁判所は2019年、独立運動への関与を理由に、カタルーニャ自治州の政治家や活動家12人に有罪判決を下し、うち9人に禁錮9~13年を言い渡した。判決を受け同自治州では抗議デモが数日にわたり続き、バルセロナなどの都市では騒乱に発展した。

 調査会社イプソス(Ipsos)の世論調査によると、恩赦についてはスペイン国民の53%が反対している一方で、カタルーニャ自治州では賛成が68%に上る。さらに最高裁や主要野党も恩赦に反対していた。(c)AFP/Rosa Sulleiro with Alvaro Villalobos in Madrid